01. ムーミンの博多人形
ムーミンの博多人形
ムーミンの立体造形に興味を持ったのは、フィンランドのムーミン谷博物館を訪れた時でした。そこには作者トーベ・ヤンソンと友人トゥーティッキ・ピエティラらによって制作された、5階建ての青いムーミン屋敷の立体造形がありました。そこにいるムーミン一家やムーミン谷の仲間たちは、細部まで表現されていてとても生き生きとしていたのです。そんなムーミンを忠実に再現するために選んだのが「博多人形」。
世界でもっとも表現力豊といわれる博多人形。自由度の高い型取り、細部にこだわった彫り込み、色付けにいたるまで一人の人形師がおこなう作品は高いクオリティを持っています。地元福岡であるハイタイド×400年の伝統を伝える人形師さんとの出会いにより「ムーミンの博多人形」は作られることになりました。
博多人形とは
長い歴史のなかで育まれてきた博多人形。博多人形の歴史は古く、1600年黒田長政の筑前入国に伴って多くの職人が集められ、その職人たちから素焼き人形が生まれ、現在の伝統工芸の礎がつくられたといわれています。江戸時代の後半に正木宗七(宗七焼)や、中の子吉兵衛・白水武平などの名工たちが活躍しました。明治になり写実的な意匠が取り入れられ、パリなど国際的な博覧会で高い評価を受け、日本を代表する美術工芸として「博多人形」の名で知られるようになり、昭和51年、国の伝統的工芸品に指定されました。
人形ができるまで
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- 1. 原型制作
- ムーミンの原型をつくります。
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- 2. 墨割り
- 原型に線をいれて、型取りするときの境界線を決める作業です。
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- 3. 型取り
- 原型から石膏で型をとります。ムーミンは4つにわけての型取りです。
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- 4. 素地づくり
- 石膏型によくこねて精製された粘土を手で押し込む作業で人形の素地をつくります。
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- 5. 焼成工程
- 十分に乾燥した素地を釜に詰めて焼成します。
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- 6. 彩色工程
- 焼きあがった素地をきれいに整え、彩色を行います。
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- 7.完成
- ムーミンの博多人形の出来上がりです。