ロンドンレストラン〈BAO〉アーチェン・チャン氏インタビュー

今ロンドンで熱狂的な人気を博すレストラングループが、台湾にルーツをもつ〈BAO(バオ)〉だ。その魅力は料理の味だけではない。まるでアート作品のような台湾中華まん、コンセプチュアルな店舗、シュールで愛らしいアートワーク。台湾文化を大切にしながらもユニークな創造を続ける〈BAO〉の世界観に、デザイン・カルチャー業界からも熱い注目が注がれている。クリエイティブ・ディレクターに就くのは創業者の1人であるアーチェン・チャン氏。今回はシェフでありアーティストでもある彼女に、BAOの魅力やハイタイドとコラボレーションしたアイテムについて伺う。

BAO(バオ)

2013年に台湾出身のアーチェン・チャン、香港出身のワイティン、シンタット・チュンによりアジアンカルチャーを忠実且つユニークな経験を通して伝える信念を元にオープンした台湾中華まん“バオ(包)”専門店。東ロンドンにあるフードマーケットの屋台として始まり、2015年にロンドンのSOHOに初の店舗を構え、現在ではロンドン市内に6店舗を展開。料理だけでなくブランドの唯一無二な世界観やシュールで愛らしいアートワークが、デザイン・カルチャー業界からも人気を呼んでいる。
HP:https://baolondon.com/shop/ /Instagram:@bao_london

料理=デザインを通して刺激を与えためのツール

ー アーチェンさんは元々料理ではなく、美術学校で彫刻とメディアを専攻していたそうですね。アーチェンさんを含めて3人で創業したとのことですが、台湾中華まん“バオ(包)”専門店をはじめるに至った経緯を教えていただけますか?

ロンドンの美術学校を卒業する時に、同じ台湾出身のシンとワイティンと一緒に台湾を旅することになったんです。その旅で私たちは台湾に昔からある中華まん“バオ(包)”のアイデアを思いついて、台湾のクラシックな文化をロンドンに持ち込みたいと考えました。

シンとワイティンは兄妹で、レストランやテイクアウト店がある建物の上の階に住むホスピタリティ溢れる家族の元で育っています。BAOを始めることは、私たち3人の料理への関心とアートやデザインへの情熱とを結びつける方法でした。私たちはスタート当初から料理を提供するだけのレストランではなく、料理を“デザインを通して刺激を与えるためのツール”とすることを目指していました。

BAO創業メンバーの3人。左からビジネス担当のワイティンさん、クリエイティブディレクターのアーチェンさん、代表のシンさん
BAOの看板商品の台湾中華まん“バオ(包)”

ー アーチェンさんの描いた、バオを頬張るおじさんのロゴがとても印象的です。どういったコンセプトやストーリーがあって、このロゴが生まれたのでしょうか?

BAOのアイコンになっているキャラクターは“lonely man= 孤独な男”であり、私が以前制作した「孤独な男になるためのルール」に由来しています。これは5人の孤独な男が“最高な瞬間”を探し求めるパフォーマティブなインスタレーション作品です。孤独な男はBAOの世界の中でも“最高な瞬間”を探し求めるキャラクターへと進化していきました。私たちは孤独な男のストーリーを描くように実際のレストランや食べ物、飲み物を創造し、BAOの世界が構築されていっているのです。

左:アーチェンさんが描いた「孤独な男」 右:「孤独な男になるためのルール」の冊子

ー お店にまつわるアートワークを手がける際に意識している事はありますか?

上品な感覚と個性的な部分とのバランスを常に意識しています。BAOはシンプルで洗練されたデザインのものもありますが、その一方で、見る人をクスッと笑わせる楽しさや個性も大切だと考えています。

ー 料理に至っては、まるでアート作品のようなユニークな形状のバオや、バオを使ったインスタレーションなど、アーチェンさんならではの発想がとても魅力的です。アイデアのインスピレーションはどこからくるのでしょうか?

映画や日常生活、出会う人たちから多くのインスピレーションを受けています。私は自分の周りの環境を漫画化するようにしています。プライベートや仕事で面白い人にたくさん出会うので、それを自分の中でさりげなくキャラクター化するんです。アートワークやグッズを作る際、その背景には必ず理由や面白いストーリーがあるものです。

台湾の生活様式を、現代にフィットさせていく

ー 現在ロンドン市内に6店舗を展開されているそうですね。それぞれコンセプトが違うそうですが、どんなお店がありますか?

BAOのアイデアは“台湾の生活様式”を元にしていているので、すべてのレストランが台湾に昔からある文化と物語をベースにしています。例えば、台湾のストリートフードの小籠包屋をモチーフにした初の店舗「BAO SOHO」や、去年オープンした「BAO noodle shop」は台湾の有名な牛肉麺店を元にしています。
また、台湾には多くの日本文化が取り入れられており、私たちも多くの影響を受けています。「Netil Market」にある「BAO BAR」は、東京の新宿ゴールデン街にあるバーからヒントを得ました。

BAO SOHO

ー お店を作る上で意識していること、BAOの世界観を通してお客さんに感じてもらいたいことはありますか?

料理、インテリア、雰囲気など、BAOを形成するすべての細部にまでこだわるようにしています。お客さんが私たちのレストランを訪れて席に座った時に、まるで孤独な男にまつわるストーリーの中にいるような感覚になってほしいのです。

日英、異業種がコラボレーションしたものづくり

ー BAOはオリジナルグッズとして、ポスターやセラミック、Tシャツなども制作していますね。今回文房具をメインにいろんな雑貨を一緒に作らせてもらいましたが、元々雑貨づくりに興味があったのでしょうか?

ステーショナリーやバッジ、ステッカーなどの雑貨類は元々好きだったのですが、BAOとして作る計画はありませんでした。ですが、ハイタイドの商品はBAOの世界観にもとても合っていて、今回一緒に作ったアイテムをとても気に入っています。

「BAO × HIGHTIDE」のアイテム

ー 実際に出来上がったアイテムで、特にお気に入りのものはありますか?

お気に入りが多すぎて、選ぶのが難しいです・・・。ピンバッジは持っているだけで孤独な男の仲間に入れる気がしていいですね。いつか大きなふわふわのバオの上に横たわって、何百人もの孤独な男女と一緒に昼寝をする会ができたら楽しいと思います。
あと「BAO Bakery」で人気のバオ「sad face bao」をモチーフにしたシールは本当にリアルです!実際にこの悲壮感漂う顔のバオを毎日お店で作っているのですが、悲しいけれど可愛くて面白いバオの魅力が忠実に再現されています。

ー 日本の文具メーカーとのコラボレーションですが、今回のアイテムは日本と台湾でも展開されます。台湾や日本の好きな文化やインスピレーションを受けていることなどはありますか?

台湾では 友人とカラオケや火鍋をしたり、100円のフライを食べたり、台湾式の茶道も好きです。生まれ育った台湾の文化にとてもインスパイアされていますが、個人的には日本もBAOの活動に大きな影響を与えていると思っています。日本の好きなものをあげればきりがありませんが、京都の川床、陶芸、喫茶店、コンビニエンスストア、モスバーガー、焼き鳥などが好きです。

ー 今後BAOとしてアーチェンさんがやっていきたいことはありますか?

BAOのミュージアムを作りたいです。これからもBAOを通して私たちの表現を続けていきます。

BAO × HIGHTIDE発売開始:4/18(月)〜
※商品はなくなり次第終了となります。

【国内取り扱い先】
HIGHTIDE ONLINE
BAO × HIGHTIDE SPECIAL PAGE

HIGHTIDE STORE MIYASHITA PARK
住所:〒150-0001 東京都渋谷区神宮前6-20-10 MIYASHITA PARK South 2F
営業時間:11:00~21:00/TEL:03-6450-6203(店舗)

HIGHTIDE STORE FUKUOKA
住所:〒810-0012 福岡市中央区白金1-8-28
営業時間:11:00~19:00/TEL:092-533-0338(店舗)

【海外取り扱い先】
UK
・BAO
HP:https://baolondon.com/
Instagram:@bao_london

・BEAMS & CO
HP:https://www.beamsand.co/jp/
Instagram:@beams_and_co

TAIWAN
・BEAMS TAIPEI
HP:https://www.beams.co.jp/global/shop/taipei/
Instagram:@beams_taiwan

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