山瀬まゆみインタビュー 『MAYUMI YAMASE × HIGHTIDE STORE』

ハイタイドの直営店「HIGHTIDE STORE FUKUOKA」のオープン5周年を記念して、アーティスト・山瀬まゆみさんとコラボレーションしたオリジナルグッズが誕生。グッズの発売に合わせて展示『MAYUMI YAMASE EXHIBITION』を2/11(金)〜2/27(日)に開催します。
文房具が好きで、ハイタイドストアにも訪れたことがあるという山瀬さん。今回は展示開催に合わせて来福いただいた彼女に、コラボレーションするに至った経緯から、制作する上で大切にしていること、福岡との繋がりについてまで、幅広くお話を伺います

山瀬まゆみ/MAYUMI YAMASE

東京生まれ。幼少期をアメリカで過ごし、高校卒業と同時に渡英。
ロンドン芸術大学、チェルシー・カレッジ・オブ・アーツ&デザインにてファインアート学科を専攻。現在は東京を拠点に活動する。抽象的なペインティングとソフトスカルプチャーを主に、相対するリアリティ(肉体)と目に見えないファンタジーや想像をコンセプトに制作する。これまでに、東京、ロンドン、シンガポールでの展示、また〈コム・デ・ギャルソン〉のアート制作、〈NIKE〉とコラボレーション靴を発表するなど、さまざまな企業との取り組みも行っている。
Instagram:zmzm_mayu
HP:www.mayumiyamase.com

モノと人が繋いだコラボレーション

ー 「HIGHTIDE STORE FUKUOKA」は今年2月で5周年を迎えました。それを記念してストア限定のオリジナルグッズを作りたいと思い、ハイタイドから山瀬さんにオファーをさせていただいたのですが、オファーを受けた感想はいかがでしたか?

率直に嬉しいなと思いました。私自身文房具が好きっていうのもあって、ハイタイドは元々知っていましたし、文房具メーカーとのコラボレーションは今までやったことがなかったので、やりたい! とすぐに決めました。

ー 前からハイタイドを知ってくださっていたんですね。知ったきっかけを伺えますか?

ハイタイドの文房具は好きなものが多くて、東京でセレクトされているお店などでよく買っていました。でも、最初の頃はそれが福岡にある「ハイタイド」っていう会社が作っているというのは全然結びついていなかったです。〈penco〉とかブランド名は認識していたので、初めてハイタイドストアに来て自社ブランドとして並んでいるのを見た時に、そういうことか! って気がついて。実際にこの場所で作られていることを知って嬉しく思いましたね。

ー 山瀬さんは過去にも福岡のハイタイドストアに訪れていただいたことがあるんですよね。当時のお店の印象など覚えていますか?

4年程前に仕事で福岡を訪れた際に、友人の福岡出身のアーティスト・ZMURF(ズマーフ)くんにハイタイドストアを紹介してもらって、初めてお店に伺いました。わりと広めの店内に、たくさんの文房具が並んでいるのに圧倒されて、このお店めっちゃいいなぁってテンションがあがって、たくさん買って帰ったのを覚えています。

ー 4年前というと、ハイタイドストアがオープンしてすぐの頃ですね。物販スペースに加えてカフェスペースがあるのも福岡のハイタイドストアならではの特徴です。

ZMURFくんに、当時ハイタイドストアで働いていた棟廣さん(*現在はUSA勤務)を紹介してもらって、コーヒーを入れてもらって一緒に飲みながら、色々お話させてもらいました。たしかちょうどハイタイドがL.A.に出店する直前のタイミングで、その時私もたまたまアメリカに行きたいなぁと考えていて、ハイタイドのL.A.店で働く話まで出ていたんです(笑)。結局私が他の仕事との兼ね合いもあって、その話は無くなっちゃったんですけどね。

ー 実際にハイタイドのどんなアイテムを使ってくれていますか?

色々ありますが、ちょうど今持っているのはこの「パギーズノート」です。ドローイングしたり、アイデアを描き込んだりしています。個人的にはグリッドのないシンプルなノートが好きで、持ち運びしやすいサイズ感も気に入っています。あとは、〈nähe〉のポーチをいくつか持っているのと、〈penco〉のブラシライターの5本セットは、初めてハイタイドストアに来た時に他にない仕様とデザインで、感動して買いました。

自分が使うものをかたちにしたグッズ制作

ー グッズの制作を進めるにあたって、アートワークに取りかかる前に、まずは何を作りたいかの案出しから参加していただいたかと思います。その際、山瀬さんからもペンやノートなどを挙げていただきましたが、セレクトする基準みたいなものはあったのでしょうか?

ハイタイドとのコラボレーションとなった時に、やっぱり文房具が作りたいっていうのはもちろんですが、基本的には“自分が使うもの“を基準にセレクトしていきました。ノート、ペン、マスキングテープあたりは制作する中でもよく使うので、今回作れてとても嬉しいですね。

ー グッズのラインナップが決まって、実際にハイタイドストアをイメージしたアートワークを描いていただいたのですが、山瀬さんなりにどのように解釈して、アートワークに落とし込んでいったのでしょうか?

ハイタイドの印象として、派手な感じよりかは少し落ち着いているイメージがありました。明るくて楽しいんですけど、それだけじゃなくて一言でいうと“いいバイブス”を感じるというか。それらを私自身の最近のテーマでもある、“生きている細胞”のようなもので表現しています。1つ1つが跳ねていたり、常に動きがあるイメージです。あとはハイタイドの文房具自体カラフルですし、色を使うものなのでその辺りも意識しました。

ー 山瀬さんからいただいたアートワークを、今度はハイタイドが各アイテムに落とし込んでいき、最終のデザインを詰めていきました。

ハイタイド側にデザイナーさんがいたのはとても心強かったです。今までTシャツなどのアパレル系はわりと作ったことがあるのですが、文房具となると最終的にどんなサイズ感で、どう見えるのかなかなか想像がつかないので、ある程度かたちを作ってくれてすごくやりやすかったですね。

ー 実際に出来上がったグッズをご覧になっていかがですか?

いい感じですね! 特にマスキングテープは全柄入っていて、見た瞬間テンションが上がりました。ポストカードやノートなどもデザイン違いでほしくなります。ペンも気に入っていて、ハイタイドのオリジナルデザインのボディとアートワークとの相性もいいですね。

変わるものと変わらないもの

ー 老若男女問わず様々な方がいらっしゃるハイタイドストアですが、より自由で楽しいと感じてもらえる場所でありたいと思い、抽象的でありながらも力強く、また優しさを感じる山瀬さんの作品に惹かれました。普段制作する時に意識していることなどはありますか?

最近、自分の中では割とポップに描くようにしていて、ペインティングじゃなくて線で描くドローイングが多いっていうのもあるんですが、なんとなく重たいよりも軽い感じ。前までは時間をかけてキャンバス作品を作っていたんですけど、時間をかければいい作品ができるっていう問題でもなくて。足取り軽くっていうのを意識していますね。

ー 描いているもの自体のテーマはどうでしょう?

常にあるテーマとして「見えないけれど存在しているもの」を描くようにしています。それは昔も今も変わりません。初期の頃は体内の臓器とか細胞とか、体の中にあって一緒に過ごしているけれど、見えないものを描いていました。それ以外にも例えば、「お腹が痛い」「気持ち悪い」「気持ちいい」とか、自分だけが感じる感覚や感情とかに興味があって、それを表現したいと思っています。それは、描き方が変わっても、変わらずあるテーマです。

ー 平面作品が多いイメージですが、画材や表現方法についても教えていただけますか?

ドローイングもキャンバス作品もアクリルとオイルパステルを使っています。アクリルペイントは昔からやっていて、オイルパステルはわりと最近使い始めました。大学生の時は立体物をよく作っていて、自分の身長くらいの高さがある作品も作ったりしていたんです。最近は全然やれていないんですけど、去年個展をやった時にも木を使った立体のインスタレーションを作りました。立体物も好きですね。

ー グッズの発売に合わせて、グッズに使われたアートワーク原画とアーカイブ作品を合わせた展示もさせていただきました。アーカイブ作品についても教えてください。

この2点のキャンバス作品は、1つ1つの色を生き物みたいに捉えて、それらが合わさったものがまた1つの生き物になるようなイメージで描いています。互いのコンビネーションで、個性が生まれる過程をペイントで単純化して表現しているんです。使う色はその時の気分で決めることが多くて、1つ決めたらそれに合わせて連鎖していく感じで決めています。

ー 山瀬さん自身、アメリカやロンドンに住まれていたり、海外との繋がりがある点もハイタイドとの親和性を感じています。海外にいたことが今に生かされていると感じる部分はありますか?

海外にいたことは実際の経験として自分の中に入っているので、それがないのは想像できないですし、影響は大きいと思います。ロンドンの大学でファインアートを学んで帰国したばかりの頃は、資格やソフトが使えるわけではなかったので、日本では手に職がない状況でしたし、ロンドンとのギャップから日本に馴染むのが難しいと感じることもありました。でも、英語が話せることを生かして通訳やライターの仕事も始めて、今はアーティストと編集の仕事も少しだけ続けています。そういった経験を踏まえて、今は自分自身を客観視できるようになってきた気がします。

福岡の人と文化に引き寄せられて

ー 福岡に来るのは久しぶりだと伺っています。元々福岡との繋がりはありましたか?

今まで全然縁がなかったんです。それこそ東京で会ったZMURFくんに色々教えてもらったのがきっかけで、ハイタイドストアに来たのもそうですし、福岡のアーティストコレクティブ〈ON AIR〉のメンバーとも仲良くなって、知り合いが増えていったかんじです。
福岡の人たちはキャラが濃くて面白い人が多いですよね。あと、熱い人が多いというか。今回も福岡に行くって言ったらわざわざ会いに来てくれたり、お店や人を紹介してくれたり。おかげでいつの間にか福岡が好きな場所になりました。

ー 福岡での初の展示ということで、地元の方も楽しみにしてくださっています。福岡に来て何か感じたことなどはありますか?

食べ物や利便性とかたくさん魅力はあると思うんですけど、私は福岡の“人”とか“カルチャー”に引き寄せられていますね。ハイタイドもまさしくそう。地元の人たちやこれからハイタイドストアに来る人たちに、作品やグッズを楽しんでいただけたら嬉しいです。

MAYUMI YAMASE EXHIBITION

会期:2022/2/11(金)〜2022/2/27(日)
会場:HIGHTIDE STORE FUKUOKA
住所:〒810−0012 福岡市中央区白金1-8-28
店舗営業時間:11:00〜19:00
TEL:092-533-0338(店舗)

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