文具メーカーとして、私たちはユーザーの皆さんが文房具やハイタイドの商品をどのように活用されているかにとても興味があります。連載「WORKING HANDS」では、“仕事“やその先の現場にフォーカス。HIGHTIDEと縁のある方々の文房具に対するこだわりや使い方について紹介していきます。
記念すべき第10回目となる今回は、LAを拠点に活動するアーティスト、Aline Cautis(エリーン・カウティス)にMt. Washington地区にある彼女の自宅を訪れてお話を伺いました。
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ーHIGHTIDEの文具をどのように使っていますか?
〈Trusco〉のツールボックスは、いろいろな使い方を試してみて、何が1番合うかを探しています。今は編み物や裁縫の道具を収納し、進行中のプロジェクト専用のケースとして活用しています。スタジオと自宅を行き来して作品を作っているので、持ち運び出来るケースは本当に便利です。
〈penco〉のストレージキャディは、いろんな物を入れて試していますが、陶芸用の道具を収納するのに最適です。道具を立てて置けるので、作業スペースを移動する時にまとめて持ち運べます。以前は瓶を使っていました。
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〈penco〉のプライムティンバーは、仕事のスケッチに使っています。私は「Heath Ceramics」でオーダーメイドで作るタイルをコーディネートする仕事もしているのですが、お客様のためにキッチンや浴室の細かなデザインをスケッチすることがよくあります。今まで使っていたボールペンから格上げされたようで、仕事にちょっとした喜びをもたらしてくれます!
〈Picus〉の真鍮のプレートはインテリアであり、作業中に針を置く場所でもあります。片手で針を使う時に針山は少し不便ですが、このプレートは簡単に針を取り出せ、見つけやすいので便利です。以前はソファの上で針を無くし、そのまま上に座ってしまうこともありました。
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ー現代のテクノロジー社会において、自分の手でものを作るということは、あなたにとってどんな意味がありますか?
手書きは時間の流れをスローに感じさせます。線の質や字の美しさに意識が向きますし、書いている人の状態も記録されます。ノートを見返せば、その時急いでいたのか、混乱していたのか、リラックスして丁寧に書いていたのかが文字の書き方から感じ取れます。それ自体がひとつの記録です。
また手で書くことで記憶が定着します。書くという物理的な行為が、記憶を作り出してくれます。
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ー鉛筆とシャープペン、どちらを使いますか?
シャープペン!人間とメカニズムの協働です。母が使っていた70〜80年代の〈コヒノール〉のシャープペンを大切にしています。建築学校時代のものもいくつか持っています。
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ーペンケースの中には何が入っていますか?またどのようにペンを持ち運んでいますか?
鉛筆を数本、水彩色鉛筆、〈無印良品〉のペン、消しゴム、小さな金属製の鉛筆削り、水彩用の小筆を2~3本、少量のマスキングテープと水彩セットを入れています。(時々入りきらないこともあります。)
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ー1番好きな文房具は何ですか?
特に好きな文房具はありませんが、旅先では文房具を買うのが大好きです。最近はあまり旅行に行けていませんが、小さな文房具店やドラッグストア、日用品店などで手頃でシンプル、実用的で美しい文房具を見つけるのが好きです。
アメリカでは、ステノノートが好きです。特にリサイクル素材を使った〈Mead社〉のものが良いですね。1ドルショップや小さな店は、意外と優れた文房具がよく揃っています。
日本の文房具は10代の頃からの憧れです。90年代に東急ハンズで、そして現代はHIGHTIDEとAyaを通じて、日本の文具に魅了され続けています。
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Aline Cautis(エリーン・カウティス)
LAを拠点に活動するアーティスト。撮影当時(2023年5月)は、普段の生活などをコンセプトに、ペイントしたオーガンジーを重ねた作品を作成していた。また、〈Cookbook Market〉や〈Alika Cooper’s Plant Sale〉のためのマグカップやプランターなども手掛けた。
Instagram:@acautis