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2021.6.28 Mon / HIGHTIDE STORE Miyashita Park, Event, HIGHTIDE STORE Fukuoka

時代がシンクロ!?企画展『WE WANT BEER!』開催。手描きアーティスト集団〈WHW!〉へインタビュー

黒板描き・チョークボーイ率いる手描きアーティスト集団〈WHW!〉が、東京と福岡の「HIGHTIDE STORE」で企画展『WE WANT BEER!』を開催。『WE WANT BEER!』、まるでコロナ禍による現代社会に対するメッセージともとれるタイトルだが、そこには〈WHW!〉のピュアでユーモア溢れる意図が込められている。 今回は〈WHW!〉として活動する4名に、チームの活動内容から本企画の魅力、今後の展望に至るまでを存分に語ってもらいます!

WHW!/ダブリューエイチダブリュー!

手描きの文字や絵で黒板を彩るアーティスト・チョークボーイ率いる、手描き結社〈WHW!〉。名前は「What a Hand-Written World!|すばらしき手描きの世界」の略。複数のアーティストが在籍し、見える価値も見えない価値も、手で描いて表現していく手描きに特化した技能集団。鎌倉のアトリエを中心に全国を飛び回って手描きの表札看板屋さんや、壁面制作、パッケージデザイン、オリジナルグッズの販売などを行う。
Instagram:@whw_whatahandwrittenworldオンライン

チームだからこそ広がる可能性

ーはじめに〈WHW!〉は、黒板描きとして活動するチョークボーイさんの声かけによって集められたメンバーからなる“手描きに特化したアーティスト集団”とのことですが、チームでの活動を始めるきっかけは何だったのでしょうか?

チョークボーイ:僕は元々個人で活動していたんですが、ある時期からイベント出店の依頼や壁面制作など規模の大きい仕事が増えてきて、自分の活動の幅を広げるためにもいつかチームにしたいというアイデアはあったんです。それと同時に、手描きで食べていけるアーティストをもっと増やしきたいと思っていました。
今チョークボーイに憧れてくれているような人たちが実際に“食えるアーティスト”になれば、またそのアーティストに憧れる人が出てくるはず。そうやって手描きに興味を持つ人が増えていけば、手描きのマーケット自体も大きくなるんじゃないかと思ったんです。

ー 〈WHW!〉は現在鎌倉のアトリエを拠点に、チョークボーイさんを含めて4人で活動されていますね。実際にみなさんはどのように出会って一緒に活動することになったんですか?

ミサキ:私は元々飲食店で働いていたんですが、黒板に手描きでメニューを描く際に、もっと上手く描きたいと思って、当時チョークボーイがやっていた黒板アートのワークショップを見つけて通い始めました。その繋がりから人手が必要な仕事にお手伝いとして呼んでもらうようになって、チームになるタイミングでメンバーに誘ってもらいました。

アンナ:私はデザイン系の大学に通っていた時に、アルバイト先のカフェでメニューを描く担当になって、その時に参考にしていたのがチョークボーイでした。何か関わりたいという想いから、「なんでもいいから手伝わせてほしい!」と直接メールを送ったのがきっかけです。

チドリペン:私も大学でデザインの勉強をする傍ら、アルバイト先のお蕎麦屋さんでイベントの看板などを描かせてもらっていて、チョークボーイの存在を知った時は、「これを仕事にしている人がいるんだ!」と驚きました。みんな経歴はそれぞれですが、描くことに興味があったのとチョークボーイがチームを作りたいタイミングとも重なって、一緒に活動をはじめることになりました。

写真左から:ミサキさん、アンナさん、チドリペンさん、チョークボーイさん (Photo by tokyobike

ープレイヤーの人数が増えたことによって活動の幅もより広がったかと思います。具体的に今現在〈WHW!〉はどんな活動をされているのでしょうか?

チドリペン:手描きをベースに作品制作から、企業のロゴデザイン、壁面のペイント、イベント制作など、活動内容は様々です。最近は“SDGs”にも取り組んでいて、例えばチョークボーイが監修した黒板塗料「CHALK UP!(チョークアップ)」を使って、不要になったものに新たな価値を見出す“アップサイクル”を目的にしたワークショップも開催しています。
お客さんにいらなくなった板や家具などを持ってきてもらって、塗料を塗って黒板にしたりオブジェにしたり…。道具が揃えばあとは“塗る”だけなので作業もとてもシンプル。お客さん自身でやればさらに愛着が湧きますし、誰でも手軽に手描きに取り組める場をこれからもつくっていきたいですね。

「CHALK UP!」を使用したワークショップの模様

群馬県前橋市・木下商店に施した壁画

ー 手描きならではの利点が生かされていますし、何より楽しそう!壁面などの大がかりな作業も4人いれば効率よく分担ができますよね。

ミサキ:大がかりな作業以外にも、例えば、企業のロゴ制作を進める際に1人だと3案しか出せないところ、4人いれば単純に4倍で12案作れて、豊富なバリエーションを提案できます。
長野県にある古材を扱うお店「ReBuilding Center」さんとは、毎回全員が同じテーマで古材を使ったアートワークを納品しているんですが、それぞれの解釈とテイストの違いがあるので見る側も面白いですし、4人いる大きなメリットだと思いますね。
でも、それぞれのアウトプットが完全にかけ離れているかといったらそうじゃない。まとまりはあるけど個性が出るというか…。

ー たしかにみなさんそれぞれ個性はあるけれど、〈WHW!〉全体の世界観としてのまとまりがあるのが不思議です。

チョークボーイ:ずっと一緒に制作をしたり、同じ目標を掲げて活動をしていると大事にするポイントや踏み外さない所が共通認識としてあるんだと思います。その上で個性を発揮しているから、バラバラなようでも大きい括りでは同じ世界観を出せている。しかもそれがお客さんにも伝わって〈WHW!〉というチームに仕事を依頼してくれる。個性を尊重しながらもまとまっていける集団を目指していたので、今まさに理想としていたカタチになってきています。

〈WHW!〉全員が各々で仕上げる「ReBuilding Center」の古材を使った作品

テーマは『WE WANT BEER!』

ー 今回の企画タイトルは『WE WANT BEER!』ですが、このテーマに至った経緯について教えていただけますか?

チョークボーイ:まだコロナになるなんて予想もしていなかった2年前に、たまたま入ったお店にテーマの元ネタとなるアメリカの“禁酒法時代”の有名な写真のポスターが飾られていたんです。『WE WANT BEER!』って書いてあるプラカードを掲げてデモ行進をしている写真なんですが、すごくかっこいいなぁと思って。この写真をイラストにしてグッズにしたいと思い、すぐに制作に取りかかりました。でも、グッズができあがったタイミングでコロナになって、出店するイベントが中止になったり、自粛期間中はさすがに出せなくて…。タイミングを見計らっていた時に、ハイタイドさんからの展示のオファーをもらったんです。
展示の開催はビールを飲むのにぴったりな夏だし、今度こそ!と思って温めていたモチベーションをそのまま展示にぶつけようと思いました。

ー 元々テーマの構想は出来上がっていたんですね。その後、一緒に企画を進めていく中で、日本は緊急事態宣言が発令されるなど、どんどんこのテーマの社会的な意味合いが強くなっていったようにも感じます…。

チョークボーイ:まさに禁酒法時代に逆戻りする感じになって、描いた絵と時代がシンクロしていく不思議な感覚でした。本当にデモが起こってもおかしくないなって。でも、僕らはそこまで意図していたわけじゃない。純粋に自分たちもビールが大好きだし、我慢した分みんなで乾杯しよう!くらいに思ってたんですけどね(笑)。
ただ、自粛期間を過ごす中で、どこにもいけない、誰にも会えないっていうのが、禁酒法時代のフラストレーションに似ているんじゃないかとも感じました。それもあって今このテーマをやろうと決めました。

企画展『WE WANT BEER!』のキービジュアル

ー 展示スペースには、作品とオリジナルグッズが並ぶとのことですが、具体的にどのようなものがありますか?

チドリペン:作品に関しては、ビールという1つのテーマに対して全員でいろんなアートワークを表現できたらと思っています。どんな素材にも描けるのが手描きの良さでもあるので、古材やアクリル板、ガラスなどに直接描いたり、いろんな色を使ってカラフルで楽しい空間になればいいなと思っています。

アンナ:オリジナルグッズは、キーホルダー、ワッペン、ハンカチなど色々あるんですが、今回のテーマに合わせた新作として、キービジュアルを使ったTシャツ、ポスター、ビールサコッシュ、ステッカーなども揃います。男女ともに使いやすいデザインですし、ビール好きの人もそうじゃない人にも気に入ってもらえたら嬉しいです。

ー また今回はハイタイドとのコラボグッズとして、栓抜きキーホルダーとタープバッグを作らせていただきました。こちらもビールにぴったりなアイテムですよね。

チョークボーイ:栓抜きキーホルダーは前から作りたいと思ってたんですよ!でも中々自分たちだけだと耐久性があってオリジナリティを出せるものが作れなくて、今回ハイタイドさんと一緒だからこそ作れて嬉しかったですね。僕が担当した「WE WANT BEER!」のプラカードを持っている手のデザインはまさにイメージ通りで大満足です。

チドリペン:私は「おつかれ」のデザインを担当したんですけど、“おつかれビール”って言葉があるように、ホッと一息つくような柔らかさを表現しました。人が寝転んでいるイラストを入れて、持ちやすさを意識した形状にしました。
タープバッグはハイタイドさんから提案してもらったんですが、ビールを持ち運べるし、氷水を入れれば冷やせるしで、すごく便利なアイテムだと思います。ビールに限らずとも、様々なシーンで使ってもらいたいですね。

栓抜きキーホルダー 各¥850+tax

タープバッグ¥2,000+tax

手描きならではの魅力とパワー

ー 手描きを専門にするアーティストだからこそ思う、デジタルにはないアナログの良さはどんなところだと感じますか?

チドリペン:アウトプットする速さと対応力は手描きの大きな魅力だと思います。イベントなどで看板をオーダーいただいた際には、お客さんと会話をしながら目の前でサッと形にするので、お客さんの人となりを知って作業ができますし、細かい要望にも応えられます。手で描いているので若干のブレなども出てくるんですけど、それも手描きをした証拠。何より世界に1つの物を目の前で作れるのは本当にいいところだなと思います。

アンナ:手描きって印刷された文字よりも、どこか親しみやすくて、温かみを感じてもらえると思います。それは、上手い下手よりも、その人がその時にしか描けない文字やイラストがあって、それが見る人にも伝わるからなんじゃないのかなと思うんです。

ミサキ:私はお店のサインや壁画を描き終わった後、全体を見渡した時にすごくそのお店に愛着が湧きます。それは、印刷物よりも手描きの方が格段に作業時間も長いし、たくさん向き合っている分、思いが込められるからだと思うんです。それがお店のスタッフさんや実際に訪れるお客さんにも伝わってくれるといいなと思います。

ー 最後に、〈WHW!〉の今後の活動における展望があれば教えてください。

チョークボーイ:僕らは手描きに特化した集団で、個人で活動するペインターアーティストはいても、集団で活動することは珍しいと思うんです。なので、僕らならではの強みや、表現できる可能性をもっといろんな人にアピールして、手描きの可能性を広げていけたらと思っています。
それと、メンバーのみんなが言ったように、手描きにはデジタルの印刷物とは比べ物にならないくらい、見た目にも内容にも厚みがあるんです。そしてそれは、今後デジタル化が進んでいったとしても、絶対に消えず、より鮮明になっていくと思います。
人間にしか出せないブレや計算できないミスはいい味になって、見る人の心に届くものがある。もっと人間らしい世の中になってくといいなと思いますし、そのために自分たちなりに関わっていけたらと思っています。

WHW! exhibition 『WE WANT BEER!』
①HIGHTIDE STORE MIYASHITA PARK
会期:2021年7月2日(金)〜7月28日(水)
住所:〒150-0001 東京都渋谷区神宮前6-20-10 MIYASHITA PARK South 2F
営業時間:11:00~20:00 ※短縮営業中/TEL:03-6450-6203(店舗)

②HIGHTIDE STORE FUKUOKA
会期:2021年8月5日(木)〜8月24日(火)
住所:〒810-0012 福岡市中央区白金1-8-28
営業時間:10:00~20:00/TEL:092-533-0338(店舗)
☆白金店のみ〈WHW!〉がパッケージを手掛けたオリジナルビールを会場にて販売します!

週末限定: 「1分間タイムアタック似顔絵」
「HIGHTIDE STORE FUKUOKA」での会期中、〈WHW!〉からチョークボーイさんとチドリペンさんが来福して、その場で1分間で似顔絵を描くイベントを開催します!ぜひお越しください。
開催日程:2021年8月15日(日)13:00〜15:00
料金:1枚あたり1000円
※ご案内は先着順となります。

【ONLINE SHOP】
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