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2021.8.30 Mon / HIGHTIDE STORE Miyashita Park, Event

絵本レーベル〈若芽舎〉代表・若木信吾へインタビュー。子どもの想像力を刺激する「ワークブック」とは

絵本レーベル〈若芽舎〉とハイタイドがコラボレーションして、子どもたちが自由に想像しながら遊べるワークブックが誕生しました。ワークブックの発売を記念して、東京・渋谷にあるハイタイドの直営店「HIGHTIDE STORE MIYASHITA PARK」では、〈若芽舎〉のポップアップを開催。今回は絵本レーベル〈若芽舎〉の代表であり、写真家の若木信吾さんに、アイテム制作の裏側から、絵本レーベルを始めたキッカケ、今後の展望に至るまでお話を伺いました。

若芽舎/WAKAMESHA

写真家・若木信吾が2018年に立ち上げた絵本レーベル。アーティストやイラストレーター、写真家など、これまで絵本に携わることのなかった顔ぶれで挑むユニークな絵本が話題を呼んでいる。これまで若芽舎ミニ絵本シリーズでは、10冊を出版。若木信吾がオーナーを務める「BOOKS AND PRINTS」をはじめ、全国選りすぐりの書店・ショップにて取扱中。
Instagram:@wakamesha

実体験から生まれたユニークな絵本

ーはじめに、写真家であり映画監督、書店オーナーなど様々な分野で活躍する若木さんが、絵本レーベルを始めるに至った経緯を教えていただけますか?

自分に子どもが生まれて、僕自身、よく子どもに絵本の読み聞かせをしていたんです。そうする中で、単純に自分の子どもに読む絵本を作ってみたいと思うようになりました。
世の中にある有名な絵本を手掛けた作家も、最初の動機は自分の子どもに読ませたくて作ったものが多いように、絵本作りに興味をもつ親って意外と多いんじゃないかと思います。
読み聞かせをする時期って、当たり前だけれど、子どもが成長したら終わってしまう。僕はもともと出版業界に近い仕事をしていたので、なんとなく絵本を作るノウハウも分かるし、あとで「あの時こういう絵本を読んであげたかった」と後悔する前に作ろうと思ったんです。

ー 〈若芽舎〉の絵本は、これまで絵本作りに携わることのなかった様々な作家陣が制作するのも大きな特徴の1つかと思います。若木さんは作家さんたちとどのように繋がって、絵本を作ることになっていったのでしょう?

僕がオーナーを務める書店「BOOKS AND PTINTS」にギャラリースペースがあって、〈若芽舎〉に関わる作家さんたちはそこで展示をしてくれた人たちが多いです。1人繋がるとまたその人が誰かを紹介してくれたり、絵本の存在を知った作家さんが自分から作りたいと言ってきてくれたりして、どんどん広がっていきました。

ー実際の絵本作りはどのように進めていったのですか?

最初に作り始めたのは、2歳児向けのミニ絵本シリーズです。この絵本はバッグに入れてもかさばらず、軽くて持ち運びがしやすいCDサイズ。2歳児だと長い話はついてこられず途中で飽きてしまうので、極端にページ数を減らすなど、自分の子どもとの体験を参考に、まずは絵本のフォーマットを作ることから初めていきました。

〈若芽舎〉ミニ絵本シリーズは全10冊。アーティスト、写真家、イラストレーター、編集者など、これまで絵本に携わることのなかった顔ぶれで挑むユニークな絵本が話題を呼んでいる。

作家さんたちは普段、大人向けの雑誌や広告の仕事をしている人が多いので、僕も含めて絵本作りはほとんどの人が初めて。なので、いざ「絵本を作ってください」と言っても、「子ども向けだからちゃんとしたものを作らないといけない」、「教育的にいいこと言わないといけない」など、色々考えて迷ってしまうと思ったんです。
でも、初めから〈若芽舎〉の絵本作りのルールやフォーマットをしっかりと伝えられれば、その条件の中で個性や色を出すのは得意な人ばかり。フォーマットさえ揃えばシリーズとしての統一感も出ますし、迷いのハードルをうまく超えて良いかたちにできたと思っています。

子どもたちが自由に想像しながら遊べるワークブック

ー 文具や雑貨を手掛けるハイタイドですが、より“子ども”にフォーカスしたアイテムを作りたいという思いは常にありました。そんな中、今回〈若芽舎〉さんにお声がけをさせていただき、コラボアイテムとしてワークブックが誕生したわけですが、一緒に制作してみていかがでしたか?

絵本を出版することはできたけれど、絵本を生かしたその先の展開はあまり考えていませんでした。今回ハイタイドさんのようなものづくりをするメーカーと組ませてもらって、絵本の世界観を生かしたアイテムが作れたのは、自分達だけではできなかったことなのでとても嬉しいです。

ー 企画がスタートした当初はシールやキーホルダーといった、ハイタイドがこれまでに作ったことのあるグッズ案も出ていましたよね。最終的にワークブック1つに絞られたわけですが、構想はどのように固まっていったのでしょうか?

絵本を出してから、これまで様々なご縁で子どもたちに向けたワークショップをする機会がありました。子ども服の〈ギンザのサヱグサ〉さんに声をかけてもらって、絵本を作るワークショップを行ったり、アパレルブランドの〈グローバルワーク〉さんと絵本の読み聞かせのイベントなども実施しました。
そういったワークショップを続ける中で、「子どもたちが遊びながら作る」という実体験がそのまま商品になったワークブックに行き着いたのは、自然な流れだったような気がします。
しかも、今はコロナ禍でワークショップもなかなかできないし、お家で過ごす時間が多いですよね。このワークブックがあれば家の中でも、子どもたちに楽しんでもらえるんじゃないかと思ったんです。

〈若芽舎〉とハイタイドがコラボレーションして制作した「ワークブック」。色を塗ったり、絵やセリフを描き込んだりと、子どもたちが自由に想像を膨らませながら遊ぶことができる。

ー ワークブックの制作には〈若芽舎〉ミニ絵本シリーズを手掛けた作家さん全員に参加していただき、ワークシートはなんと計30枚!とても豪華な内容になりましたね。制作する上でこだわった点を教えてください。

ワークブックといってもいわゆる製本してあるものではなくて、ハイタイドのクリップボードに挟んであるというのが大きな特徴です。本ではないので綴じる必要もないですし、ページネーションも関係ないというのが斬新で、いいアイデアだなと思いました。作家さんはそれぞれ作風も内容もバラバラなので、気にいったページを表紙に持ってくるなど組み替える楽しさもありますし、バラエティにとんだアイテムに仕上がったと思います。

ー 塗り絵、迷路、クイズなど、遊び方もたくさんあって、友達同士や親子で一緒に楽しんでいただけそうですよね。作家さんたちと制作を進めていく上で、気をつけたことなどはありましたか?

ワークブックと聞くと、日本は児童向けの出版社が出している本などがあって、少なからず「勉強」のイメージがあると思うんですけど、海外に行くと練習帳みたいな感じで普通のスーパーとかに売ってるんですよね。そういったかしこまりすぎないカジュアルなイメージがいいとか、なんとなくのコンセプトは伝えつつ、あとは作家さんたちにお任せしました。

ワークブックは〈若芽舎〉のオリジナルロゴを印刷した特別なクリップボードとセットで販売。クリップボードはシートを挟んでお絵かきボードとして使うのはもちろん、そのまま壁に掛けて飾ることができます。

ーワークブックの発売を記念して、東京・渋谷にあるハイタイドの直営店「HIGHTIDE STORE MIYASHITA PARK」内の展示スペース「タイニーハウス」では、〈若芽舎〉のポップアップを開催します。どのような展示空間になりますか?

今回作ったワークブックを壁一面に展示しつつ、〈若芽舎〉ミニ絵本シリーズの絵本なども並ぶ予定です。
各分野で活躍する人気の作家さんたちがワークブックを作っていますが、実際に使ってほしい子どもたちは、その絵を誰が描いているとかは関係なくて、パッと見て楽しそうだなと感じるインスピレーションの方が大事だと思うんです。大人と子どもで反応する部分が違うように、あまり綺麗に整頓しすぎず、子どもは少しごちゃっとしている雑多な感じの方が好き。購入するのは親御さんではあるけれど、ワークブックと一緒に使えるハイタイドさんの文房具なんかも並べて、まずはお子さんに興味を持ってもらえたらと思います。

体験として残る、絵本の記憶

ー 2歳児向けのミニ絵本シリーズは全10冊を出版したところで一旦ひと区切りと伺いましたが、〈若芽舎〉の今後の展開はどうなっていくのでしょうか?

自分の子どもが小学校に上がったこともあって、今度は新たに小学校低学年くらいの子に向けた児童書シリーズを作り始めています。これまで作ったミニ絵本シリーズは、楽しいビジュアルとシンプルなお話がメインだったんですけど、児童書になると子どもが自分でストーリーを読み進めることができるので、ページ数も増やして、もう少し物語的な表現ができます。
すでに2021年2月には第1弾として、モデルでイラストレーターの香菜子さんが手掛ける絵本「おぱんつ君」を出版しました。これからも子どもたちの成長に合わせて、楽しんでもらえる絵本を作っていきたいですね。

ー 最後に、これからワークブックや絵本を手に取るお客さんに向けて、何かメッセージがあればお願いします。

僕自身、子どもが小学校に上がってからも絵本の読み聞かせはずっと続けていて、今でもたまに〈若芽舎〉のミニ絵本シリーズを持ってきて読んでくれって言ってくるんです。年齢的にももうあまり楽しめない内容のはずなんですが、おそらく本の内容にのめり込みたいんじゃなくて、「昔お父さんがこの本を読んでくれたな」って子どもながらに記憶を思い返して、その時の一体感のようなものをもう一度味わえるんじゃないかと期待しているんだと思います。
子どもにとって読み聞かせって読む人とのコミュニケーションの記憶。映画とかイベントのように、体験としての記憶って絶対あると思うんですよね。それが生まれるのが絵本の良いところだなと思います。
〈若芽舎〉のワークブックや絵本を通して、親子で遊んだり、自分で描いて作ったり、誰かにプレゼントしたり、そういった経験が未来の記憶に残っていってくれたらいいなと思います。

PLAY! KIDS WORKBOOK by wakamesha
会期:2021年9月4日(土)〜9月29日(水)
会場:HIGHTIDE STORE MIYASHITA PARK
住所:〒150-0001 東京都渋谷区神宮前6-20-10 MIYASHITA PARK South 2F
営業時間:11:00~20:00 ※当面は営業時間を短縮しての営業となります。
TEL:03-6450-6203(店舗)
【ONLINE SHOP】
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