第三話
他の人からすると、全然わからないこと。
勝手な自分なりのルールで楽しんでいる。
たとえば選書。自分に本当にできるのだろうかと思っていたけれど、やっていくうち、意外といろいろ集められるなと気づいた。
そもそも自分はメモ魔で、2年くらい「欲しいものリスト」を作っていたので、最初はそこから本をストックしていった。ただ通常のジャンル分けは全然わかっていないので、自分の自宅の本棚を作るのと、いわば同じ感覚だった。
最初はパッと出会っただけ。たとえばそれが小説だとすれば、それに繋がるようなノンフィクションを読もうとしたり、同じテーマの話をPodcastで聴いたり、そこで紹介していた本を買ったり。あとはアーティストのインタビューだったりもする。
そんなふうにテーマを繋ぎながら読んでいくのが好きで、よく自分のための課題図書セットみたいなものを作っていた。
映画を観ても、自分のひっかかったテーマがあれば、それに関連することを喋ってるラジオを聴いたり、記事やパンフレットとか読んでおきたいところがあり、そういうことも選書に影響する。
多分、求めているわけじゃなくても、その時にアンテナが立っているテーマがあれば、出会ったものにピン!とくるポイントに熱中しちゃう。なので一見関連のない本でも、その1文があるからもうここの棚に置く、なんてこともある。
他の人からすると、全然わからないようなこと。「そんな本だっけ?」って思われるかもしれないけれど、勝手な自分なりのルールで、楽しんで選んでいる。
PROFILE
福永 紋那 | 書店オーナー
1989年兵庫県淡路島生まれ。2023年東京・幡ヶ谷に「OH! MY BOOKS」を開業。店主が1冊ずつセレクトした古本・新刊と、本を読む生活がたのしくなる輸入文具や雑貨・アクセサリーなどを取り扱っている。